彼女は私立高校1年生の女の子。
私が初めて彼女に会ったのは、中学校の入学式の前日。
小学校5年生の時、突然学校で倒れ、それ以来頻繁に倒れ、意識がなくなるという原因不明の病気(?)に。内科、脳神経外科、心療内科と、良いといわれるところを探し、通院してきたが全く治らず、これから中学校でどう生活していけばいいかと途方に暮れながら相談に来られました。
小学校では倒れるからと学校に来る日を限定され、遠足も林間も行けず、修学旅行だけは保護者がつれていくという条件で交流。学校にも毎日行けず、行きたくないという状況に。
そんな彼女の話を聞くと、本当は学校に毎日行きたい、でも不安。
みんなと話したりするのも怖いということ。
「とにかく絶対、横にいるから安心して学校に来よう!」
と、話をし、入学。
しかしそれからも彼女はあちらこちらで倒れ、担架で運ばれてくることに。
病院には行かなくても、静かに寝かせておけば意識が戻るということだったので、とにかく横に寄り添い目を覚ますのを待つことに。
支援学級で過ごす彼女は、明るく、話が大好きな生徒なので
倒れた日の一日の様子や行動を振り返り、彼女の心の中で何が起きているのかがわかるよう、彼女の性格、生活環境を把握したうえで、しっかり寄り添いいっぱい話をしていきました。
そうしていくうちに、いつのまにか彼女は倒れなくなっていたのです。
それよりか、「倒れるやろうなー」というのが自分自身でもわかるようになってきていました。
友達もでき、ダンスをはじめ、学校行事にも積極的に参加。
少しづつではあるけれど、自分の思いも他人に伝えられるようになってきて彼女の成長が感じられました。
そして卒業式を迎え、振り返ると、彼女の中学校での欠席日数はたった5日でした。
そんな彼女が、成長した姿でスクールに来てくれたのは本当に感動です。
私自身の自信にもつながります。
高校に入学してから、また一度、倒れてしまったって、少し不安そうでしたが、以前よりずっと前向きで「何とかなる」って笑いながら、学校の話を楽しそうにしてくれました。
そして、将来は「保育士」になりたいとキラキラした眼で話す彼女がとても輝いてみえました。
これからまた、たくさんの悩みやしんどさが彼女にのしかかることもあるかもしれませんが、きっと、また一つ山を乗り越え成長していってくれるだろうと期待しています。